9体の阿弥陀 浄瑠璃寺

今回も奈良市よりほんの少し離れたお寺を紹介します。
京都府木津川市にある「浄瑠璃寺」です。

前回紹介した笠置寺よりも西に位置しております。

関西本線加茂駅から「加茂山の家」行きのコミュニティバスに乗りのどかな田園風景からなだらかな山道に入ってしばらく進んだところの「浄瑠璃寺前」で下車。
そこから徒歩で2、3分ほどです。

浄瑠璃寺

浄瑠璃寺(Wikipediaより)

浄瑠璃寺の見どころは細長い本堂に一列に安置されている、9体もの木造阿弥陀如来坐像。

平安時代後期、このように9体の阿弥陀像を安置する九体阿弥陀堂を建てることが流行ったそうですが、現存するのはこの浄瑠璃寺の阿弥陀堂のみです。
中央にひときわ大きい中尊が安置され、その左右に4体ずつ小さめの阿弥陀像が並びます。
浄土教には、極楽浄土に生まれ変わる際、生前の行いによって9つのパターンが待っているとされ、
(いい行いをした人は、大勢の仏様たちが迎えに来てくれる、など)
九体阿弥陀は、その思想を反映したものとなっています。

また、浄瑠璃寺には大変美しい仏様である秘仏、吉祥天女像がいらっしゃいます。

普段は厨子(ずし:仏像などを安置する仏具)に収められ、扉がしまっておりますが、1月1日〜1月15日、3月21日〜5月20日、10月1日〜11月30日の期間は扉が開かれます。

浄瑠璃寺は1047年に義明上人によって建立されたと言われています。

このときの本堂の本尊が薬師如来。薬師如来は東方浄瑠璃世界の教主であることから、浄瑠璃寺の名前がつきました。

 

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