巨石信仰の地 笠置寺

こんにちは。
本日の奈良、昨日のどんより空模様から一転、今日は朝から五月晴れが戻ってきて気温もぐんぐん急上昇。午後には25度を超えて夏日となりました。
夏日くらいになると、朝晩もパーカーなし(いや、さすがにちょっとひんやりしましたが)、一日中Tシャツで快適に過ごせます☆
これから先Tシャツ一枚だって堪えられないくらい暑くなるのかもしれないですけどね。

さてさて、今日ご紹介するお寺は奈良から少しはみ出して、奈良と京都の県境にある笠置寺(かさぎでら)です。

お寺の場所はといいますと・・・

奈良から見ると柳生の北、周りには山とゴルフ場しか見当たらないような場所に位置しております。

最寄りはJR関西本線の笠置駅。奈良から直線距離はそんなに遠くないのですが、電車だと加茂駅で亀山方面の電車に乗り換えて一駅。
加茂と亀山を結ぶ電車は1時間に1本とか2本とか・・・さらに笠置駅にたどり着いてからお寺までは笠置寺HPによると徒歩45分。
実際に歩いてみると大体1時間近くといったところでしょうか。
ですので観光で巡回するコースに組み入れる際はかなり時間に余裕を持ってスケジュールに組み入れてくださいね。

現在はアクセスにやや不便を感じるこの笠置寺ですが、都のあった時代は、そばを流れる木津川で都に建築資材を運んでおり、また、月ヶ瀬から奈良へ向かう月ヶ瀬街道、京都から伊賀(三重県方面)へ向かう伊賀街道が交わるところでもあり、交通の要所となっていたのです。

周りには巨石が多くあることから、古来より巨石信仰(巨石を神様と崇める信仰)が根付いていたのが笠置寺の起源であると言われています。

天智天皇(626-672)の皇子である大友皇子がこの地へ鹿狩をしていたところ、断崖絶壁で身動きがとれなくなってしまい、この時に祈りを捧げたところ道が開けたといいます。
その御礼として弥勒様を岩に刻むことを近い、次に来た時の目印として自らの笠を置いて帰ったというところから笠置という名前がついたという伝説が残されています。
そして後に戻って弥勒様を刻もうと思ったところ崖が険しく作業が阻まれてしまっているところを、天人が降りてきて代わりに刻んでくれたのが、現在笠置寺にある弥勒磨崖仏だと言われています。

笠置寺の弥勒磨崖仏

弥勒磨崖仏(Wikipediaより)

また、この笠置寺、東大寺二月堂の「お水取り」の行事の元となる伝説も残っているんです。

東大寺の初代別当(責任者)、良弁の弟子である実忠が、この寺の千手窟という場所にある龍穴に入ったところ天人が修行しているところに出くわしました。
実忠がこの修業を人間界に持ち帰りたいと望んだところ、天上界の1日は人間界の400年にあたるから無理だと断られたのですが、それならば天上界に追い付くために走ってやる、というのが、今のお水取りの観音様の周りを走るという修行につながったと言われています。

目立たない場所にあるものの、奈良の歴史ととても関わりの深い笠置寺。アクセスは大変ですが(車で行けるなら車で行ったほうがいいかもしれないですね)、お時間が許せばぜひ行ってみてください!

ホームページも参考にしてくださいね♪

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